本年も皆様に、季節のうつろいや催事などに合わせて、お飾りいただける選りすぐりの美術品や、掛軸をご紹介してまいりますので、よろしくお願いいたします。
さて今月は、日本の象徴である富士山の姿を日本画の巨匠が見事に描き上げた名品をご紹介いたします。「富士といえば大観、大観といえば富士」と讃えられた
横山大観は、生涯のテーマとして、1,500点にも及ぶ富士図を描いたといわれています。中でも、五島美術館に原画が所蔵されている、この『日本心神』は、至高の傑作としてしられています。
金色の雲海に中、どこまでも気高く、悠然と聳える霊峰富士。そこには、真摯に日本の象徴としての誇り高い姿を追求し続けた大観の精神が込められているようです。形容の美しさはもちろんですが、画面からほとばしるような、気魄と精神性こそが、大観の富士の真髄といえます。
どうぞ、現代に生きる我々をも強く魅了する名作をお手許でご鑑賞ください。